ホームページにかけるべき時間量:投資という観点で考える

昨日は、カネをかけずに時間をかけるという記事を書きました。

でも、時間を無駄にしてはいけない、とも言います。

ホームページにかける時間はどの程度にすべきでしょうか?

結論から言うと、「ホームページから上げたい売上の約2割の時間をかけ続ける」が正解です。

ざっくりいうと、20日稼動の場合売上の全額をホームページから売り上げたいなら4日間、売上の20%をホームページから作りたいなら約10時間を投入する必要があります。

中小企業の場合、通販・サービスといった業種が多いのですが、こうした業界の売上高に対する広告宣伝費の比率は約15-20%(日経広告研究所調べ)といわれています。

もっともこれは非上場の有力企業を含んでいますので、ネームバリューなどから宣伝効果がより発揮されやすいのも事実です。

中小企業の場合その他のアプローチでコストをかけにくいため、キャッシュアウトしないWebの場合は約20%の時間をかけていきます。

さて、多くの方はここまでかけていないのが現実です。

しかしリターンはすべて投資から生まれます。投資なくしてリターンは生まれません。

月に10分くらいしか触っていないのに、「売上が上がらない」という方はこれを改善しなければいけません。

たった10分何かをしただけで、売上がぐんぐん伸びた経験がありますか?

恐らくないはずです。

インターネットであろうがリアルであろうが商売ですから、10分で売上があがることはありません。

●投資対効果は他のチャネルと変わらないのか?

さて、「じゃあほかのチャネルと投資対効果は変わらなくなるのでは?」という方がおられると思いますが、これは投資ボリュームを固定しているためですね。

20%を投資し続けると、たしかにと投資対効果は変わりません。

でも、チラシならまいてから1ヶ月もするとほとんどの方は捨ててしまい、再度まかなければなりません。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞広告なら出稿が終了し、広告がなくなります。

ではホームページはどうかといえば残り続けます。

むしろコンテンツ量も増え、ますます存在感を増していきます。

分かりやすいのは、ホームページは「売却できる」という点です。

私もあるオンラインサービスを売却したことがあります。

年末年始の休みに1週間でホームページを作って、1年間月々10万円程度の利益を出しながら運用し、320万円で売却しました。1年でトータル420万円ですね。多いでしょうか、少ないですか?最終利益率が10%ある企業はほとんどありません。10%だとしても、年商に換算すると4,200万円分になりますが、これを1週間(プラス月々の運用時間約15分/月、初月のみ制作時間込みで約160時間)で作れる。

チラシや新聞広告は売却できませんが、ホームページは宣伝媒体である「資産」ですから売却が出来るわけです。

この点で、結果として費用となる投資であるその他の広告宣伝費と、広告宣伝費という勘定に載らない「ホームページにかける時間」とは異なります。

今までは資産としての広告宣伝媒体を中小企業が持つことはありませんでした。

媒体を持っている企業にお願いして広告を出させてもらい、看板屋さんにお金を払って看板を借り、代理店の枠を買ってバスや電車に広告を出したりしていたわけです。

しかし、そうした資産となる媒体を中小企業が持つことになった、これがホームページということになります。

また現在では運用しているホームページを固定資産としてバランスシートに載せることはまずありません。

Q.インターネット上に広告宣伝用のホームページを開設しました。その制作のために業者に委託した費用は、広告宣伝費等として一時の損金にするのでしょうか。それとも、繰延資産として償却するのでしょうか。

A.通常、ホームページは企業や新製品のPRのために制作されるものであり、その内容は頻繁に更新されるため、開設の際の制作費用の支出の効果が1年以上には及ばないと考えられますので、ホームページの制作費用は、原則として、その支出時の損金として取り扱うのが相当であると考えられます。

ただし、ホームページの内容が更新されないまま使用期間が1年を超える場合には、その制作費用はその使用期間に応じて償却します。

また、制作費用の中にプログラムの作成費用(ソフトウェアの開発費用)が含まれるようなホームページについては、その制作費用のうちプログラムの作成費用に相当する金額は無形減価償却資産(ソフトウェア)として耐用年数「5年」を適用して償却することとなります。

国税庁 タックスアンサーより引用 http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5461_qa.htm

(更新しないまま1年以上になるなら使用期間に応じて償却する必要が出てきます。ちゃんと更新していれば、当期での一括償却になりますね。)

外注に頼んでホームページをリニューアルした場合、厳密には資産価値が上がっていますから資本的支出として考えられますが、実際には当期支出で処理できます。

自分で更新していく場合投下しているのは時間ですからもちろん載りません。

「決算書に一切反映させることなく、資産税がかかるわけでもなく、減価償却ではなく当期費用という形で実質資産の価値を上げることができ、しかも宣伝効果を継続的に積み上げていける」のがホームページです。

さて、20%の時間を投資し続けると、広告効果はストックでつみあがりますからセールスは一般的には上昇します。

上昇分からまた20%再投資しますから、その分また増加します。

私も含め、数万円を1年で1,000万円、2年で4000万円にしました、なんていう事例がありますが、これはこうした手法で伸ばしているんですね。

同時に、受注が多くて回らないとか、先のホームページの売却を前提としたものだったりすると途中から時間投資を抑えたり、外注さんを利用したりして利益(時間)確保を進めていけばよいわけです。

時間投資量を調整することで、費用対効果はもちろんもっと高めることが出来ます。

こうした手法や価値に気が付いた人だけが一生懸命ホームページに時間をかけていて、その効果を享受しているわけです。