SEOを究める(その3)

YahooYSTの登場

2004年、YahooはYahooYSTという独自のロボット型検索システムを導入します。

このYahooYSTは他のロボット型検索エンジンとはサイトの評価手法が異なり、それゆえにSEO業者はYahoo対策で大いに悩まされることになります。

検索エンジンは数多くありましたが、Yahooは検索エンジンのシェアでトップを独走しており、Yahooで上位に行かなければ売上が見込めなかったためです。

またGoogleから始まったキーワード検索のおかげで、カテゴリによって制限された中ではなく「ユーザーがどんなキーワードを打ち込むか分からない」状態でのSEO を行わなければなりません。

しかしYahooで上位になっても他の検索エンジンでは上位表示できない事態が相次ぎました。

その中でYahooはあるサービスをスタートします。

それがYahooビジネスカテゴリです。

有料でYahooのカテゴリに登録することで、Yahooから良質なリンクが得られるとあってこの申請を代行する事業者も多く現われました。

Yahooはこうして「リンクを販売する」ことによって利益を得、SEO効果を売りにしながら登録数を伸ばしていきました。

この頃にはその他の検索エンジンはほぼシェアを失い、マイクロソフトの提供するMSN、Google、そしてYahooが主要なエンジンとして生き残りました。

被リンク型のSEOはその後も好調でしたが、なぜ被リンクをたくさん集めると順位が上がったのでしょうか?

それは「たくさんリンクされるサイトはおそらく情報も豊富で良質なサイトであろう、だからこそ多くの人々からリンクされるのだ」という検索エンジンによる評価の仕組みがあったからです。

このため特に大型で公共性の強いサイトからのリンクは「良質なリンク」とされ、いわゆるリンク集からのリンクや相互リンクよりも高く評価されていました。

そしてこの被リンク型SEOが全盛になった頃には、それまでのキーワード詰め込みSEOなどは淘汰されていきました。

なぜでしょうか?

検索エンジンは検索品質を上げてシェア争いという競争に勝ち抜く必要があります。

このため、より客観性の高い被リンクによる評価を主体としたのであって、キーワードを詰め込んだところで評価されなくなってしまいました。

またこれらを「意図的に順位を上げることで検索品質を落としている」とし、ペナルティを課すようになったのです。